バイクと車の接触事故による高次脳機能障害の事例
認容額 | 923万0969円 |
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年齢 | 35歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 会社員 |
傷病名 | 高次脳機能障害,右上下肢不全麻痺,右半身知覚低下,右大腿の採皮瘢痕,右下腿の植皮部瘢痕等 |
後遺障害等級 | 2級 |
判決日 | 平成21年12月24日 |
裁判所 | 東京地方裁判所 |
交通事故の概要
本件は、平成16年1月15日午後10時55分ころ、千葉県船橋市内の船橋市山野町方面(東)と船橋市葛飾町2丁目方面(西)とに通じる片側1車線の市道と、市川市二俣2丁目方面(南)と船橋市西船4丁目方面(北)とに通じる交差道路との信号機による交通整理の行われていない十字路交差点を北方向から西方向へ向かい右折して本件市道を西方向へ向かい進行していた加害者運転の普通乗用車と、
被害者車両の進路前方で本件市道を西方向から東方向へ向かい転回途中の被害者運転の自動二輪車(バイク)とが衝突したものである。
被害者の入通院治療の経過
被害者は本件事故により、頭部外傷,右急性硬膜外血腫,脳挫傷,右下腿骨開放骨折,皮膚欠損及び左腓骨骨折の傷害を負い、その後、次の治療を受けた。
(1) 北習志野花輪病院 通院治療 平成16年1月15日 1日間
(2) 船橋市立医療センター
ア 入院治療
平成16年1月16日から同年3月12日まで 57日間
平成17年9月1日から同月10日まで 10日間
イ 通院治療
平成16年3月13日から平成18年4月26日まで 実43日間
後遺障害の内容
被害者は、平成17年11月29日に船橋市立医療センターの整形外科で右足関節の可動域制限につき、
平成18年3月1日に同センターの形成外科で右大腿の採皮瘢痕,右下腿の植皮部瘢痕等につき、
同月27日に同センターの脳神経外科で高次脳機能障害,右上下肢不全麻痺,右半身知覚低下につき、
それぞれ症状固定診断を受け、その後、これらの症状固定診断に基づき後遺障害等級認定を受けた。
後遺障害等級認定では、被害者の後遺障害は
①頭部外傷後に残存した神経系統の機能又は精神の障害につき「高次脳機能障害のため、労務に服することができないもの」であり「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの」として自賠法施行令別表第2(後遺障害等級)第3級3号に該当し、
②右下腿開放骨折後の右下肢の機能障害(右足関節の機能障害)につき「関節の機能に著しい障害を残すもの」として後遺障害等級10級11号に該当し、
③右下腿皮膚欠損による右下肢の醜状障害(同部位に残存する神経症状を含む。)につき後遺障害等級12級相当であり、
④頭部右側の開頭術後の醜状痕につき「男子の外貌に醜状を残すもの」として等級表14級11号に該当し、
全体として後遺障害等級併合2級であると判断された。
判決の概要
裁判所は、本件事故における過失割合を被害者2割、加害者8割とするのが相当であり、よって本件事故により被害者に生じた損害については、20パーセントの過失相殺をするのが相当であるとし、被害者に対して923万0969円及びこれに対する平成16年1月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう、加害者に命じた。
認容された損害額の内訳
治療関係費 | 153万8707円 |
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入院雑費 | 10万0500円 |
通院交通費 | 11万3670円 |
将来介護費 | 3223万4610円 |
休業損害 | 1563万0525円 |
逸失利益 | 1億1092万1612円 |
慰謝料 | 2870万円 |
付添看護費 | 60万円 |
てん補 | -2907万7228円 |
弁護士費用 | 84万円 |
※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。